2020年03月07日
新聞記者が作品賞に
一部で凄い人気の映画「新聞記者」昨年夏の公開時には、どの回もほぼ満席!玄人受けする話題作です。それが今回見事に日本アカデミー賞作品賞に輝きました!
決して派手さを求めた作品ではないもののドキュメントタッチの真面目な作風は是枝監督の空気人形の雰囲気を思い起こします。ストーリーはあちこちで語られているようなので敢えてトレースしませんが、観ている内にどんどん謎が解き明かされスパイ映画さながらの展開を見せるので最後の瞬間までドキドキハラハラさせてくれます。
内閣記者会見で官房長官からディすられまくった東京新聞のあの女性記者の原作、リアルなフィクションです。
とは言うものの特区で大学を新設する問題があったり、実名でレイプ被害を訴えた女性がいたり、機密文書を改竄した官僚が自殺したりと、現実に起きたニュースも見え隠れしていたり。
松坂桃李や本田翼の夫妻を除けば官邸や新聞社の大部屋が舞台でおまけにキャスティングが皆地味(失礼)なので殊の外リアリティが増長されます。
政府のとてつもなく大きな力に抗い、真実を引き出そうと奮闘する主演の記者役もとてもいい表情でセリフにない感情の変化を多感に表現しています。
今の時代に新聞記者を志望する若者がどれくらいいるのかわかりませんが、もしこの映画でヤル気になってくれる人が増えたなら、制作サイドの何よりの励みになる事でしょう